変爻と之卦:卦が「動く」とはどういうことか
卦を立てると、動く爻が出ることがあります。動く爻をどう読むかは、金銭卦でいちばん迷いやすいところです。けれども決まりは小さな一つの表だけ。それを覚え、「動く」が本当は何を意味するのかをつかめば、十分です。
変爻とは
三枚のコインで6(老陰)か9(老陽)が出た爻が変爻です。老陰は陽に、老陽は陰に変わり、ほかの爻は動きません。
すべての変爻をひっくり返してできる新しい卦を之卦(変卦)といい、もとに立てた卦を本卦といいます。たとえば泰の卦が出て、第三爻が老陽なら、第三爻が陰に変わり、全体は臨になります。泰が本卦、臨が之卦です。
変爻の数ごとに、どの一文を読むか
いちばん広く使われる読み方は、南宋の朱熹の『易学啓蒙』によるもので、ここでもそれに従います。
変爻がなければ、本卦の卦辞(と大象)を読みます。
変爻が一つなら、本卦のその爻の爻辞を読みます。
変爻が二つなら、本卦のその二つの爻辞を読み、上の一つを主とします。
変爻が三つなら、本卦と之卦の卦辞を読み、二つを合わせて見ます。
変爻が四つなら、之卦の変わらない二つの爻辞を読み、下の一つを主とします。
変爻が五つなら、之卦の変わらない一つの爻辞を読みます。
変爻が六つで全部変わるなら、之卦の卦辞を読みます。乾の全変は「用九」、坤の全変は「用六」を読みます。
流派によって読み方は少しずつ違い、これはもっとも一般的なものです。「卦を立てる」でもこの順に、読むべき文をおばあさんに渡します。
「動く」は「何かが起こる」ではない
変爻を見て、何か変事が起こると思う人がいますが、これは「動く」の誤解です。変爻が示すのは、その位置の言葉は何度か読み返す価値がある、ということ。見るべき場所を指しているので、未来のできごとを指しているのではありません。
本卦から之卦への動きも、「今はこうで、先はこうなる」と読む必要はありません。むしろ、本卦はあなたが今立っている場所、之卦は心がほのかに向いている場所、その二つの差があなたが今歩いている道のりだ、と読むほうが役に立ちます。
まったく動かない卦は、かえって澄んでいる
変爻のない卦は、六回に一回ほど出ます。この卦は絵が一枚だけで「行き先」がないので、読み方も単純です。卦辞と大象をゆっくり読み、どの一文にいちばん心が動くかを自分に尋ねれば十分です。
よくある質問
変爻がやたらと多いのはなぜ?
一つの爻が変爻になる確率は四分の一で、六爻なら平均して一つ半が変わります。三つ、四つも珍しくありません。変爻が多いからといって「より悪い」「より当たる」わけではなく、読む文の場所が変わるだけです。
之卦はいつも本卦より大事?
いいえ。変爻が三つなら本卦と之卦は同じ重さ、二つ以下なら本卦が主、四つ以上なら之卦が主です。二つは同じ物語の二つの段階です。
