金銭卦のやり方:コイン三枚、六回、一つの卦
卦を立てるのに使うのは、千年以上続く金銭卦です。コイン三枚で一回に一爻、六回投げると、『易経』の六十四卦のうち一つが手に入ります。方法は簡単ですが、一つ一つの手順に理由があります。
筮竹からコインへ
『易経』でいちばん古い卦の立て方は、蓍(めどぎ)の茎を何度も分けて数えるもので、一つの卦を出すのに何十もの手順が要りました。のちに、茎の代わりに銅銭を使い、一投で一爻が決まる手軽な方法が生まれます。この金銭卦は漢代以降に広まり、宋代からは民間でもっともよく使われたと考えられています。銭卦、あるいは「卦を振る」とも呼ばれます。
道具が変わっても本質は変わりません。蓍でも銭でも、六つの陰陽を積んで一つの卦をつくり、その卦の言葉を読む。それだけです。
一度に三枚、字は2、背は3
三枚のコインを手の中で振り、いっしょに投げ下ろします。字のある面は「字」で2、字のない面は「背」で3と数えます。三枚を足すと、結果は6、7、8、9の四通りだけです。
字が三つなら2+2+2=6で老陰。字二つ背一つなら2+2+3=7で少陽。字一つ背二つなら2+3+3=8で少陰。背が三つなら3+3+3=9で老陽。奇数は陽で一本の実線、偶数は陰で真ん中の切れた線で描きます。
なぜ「老」と「少」があるのか
7と8は「少」、つまり安定して変わらない陽と陰です。6と9は「老」で、老いが極まると向きを変えます。老陰は陽に、老陽は陰に変わる。「物極まれば反る」が卦の中に現れたものです。
確率を数えるとわかります。三枚の並び方は八通りで、6と9はそれぞれ一通り、7と8はそれぞれ三通り。つまり一爻が老になる確率は四分の一で、六爻のどれも変わらない確率はおよそ18%です。変爻が出ることはごく普通で、気にしなくて大丈夫です。
下から上へ、六回
最初に投げて出るのが初爻で、いちばん下に描きます。二回目は二爻でその上に重ね、六回目の上爻まで続きます。この順序は適当に決まったものではありません。卦は地面から育つもののように、最初に起こることは下に、最後のことは上に置かれるのです。
六爻は下の三本と上の三本に分かれ、それぞれが小さな卦で、下卦(内卦)と上卦(外卦)と呼びます。小さな卦はそれぞれ八通りで、八かける八がちょうど六十四です。
六回投げ終えたら
六爻が揃ったら、まず下卦と上卦を見分け、卦の名を調べます。次に老陰・老陽、つまり変爻があるかを見ます。なければその卦そのものを読みます。あれば、変わったあとの卦(之卦)も見ます。どの言葉を読むかには決まりがあり、それは「変爻と之卦」の記事で詳しく説明します。
「卦を立てる」では、毎回コインが落ちる様子が見え、手でコインを振るのと変わりません。そのあと、おばあさんがその卦の象と原文をいっしょに読んでくれます。吉凶を言い渡すことも、未来を言い当てることもしません。卦を鏡にして、あなた自身が今どこに立っているのかを見るだけです。
よくある質問
古いコインがなくても、普通の硬貨でいいですか?
はい。同じ大きさの硬貨を三枚用意し、どちらの面を字(2)、どちらを背(3)にするか決めて、ずっと同じ約束で使えば大丈夫です。「卦を立てる」では何も用意せず、タップするだけでコインが投げられます。
卦を立てる前に、身を清めてお香を焚くべきですか?
必要ありません。儀式そのものが結果を変えるわけではありませんが、数分静かに過ごして問いをはっきりさせておくと、読むときにとても役立ちます。最後に読むのはあなたの問いだからです。
同じ問いで何度も立ててもいいですか?
『易経』蒙の卦辞に「初筮は告げ、再三すれば瀆る。瀆れれば告げず」とあります。はじめて誠実に問えば答えがあり、何度も繰り返せば問いへの敬意を欠く、という意味です。同じ問いで違う卦が出ても、卦が外れたのではありません。むしろ、なぜこのことが手放せないのかを考えるよい機会です。
