卦の読み方:卦名・卦辞・大象・爻辞
『易経』の文章は古く、はじめて読むと目が回ります。けれども一つの卦はきちんとした構造をしていて、各層が何かがわかれば、層を一つずつ読んでいけます。
まず卦名、それから上卦と下卦
卦の名前には、その象が隠れています。「地天泰」を例にとると、最初の二字が上卦と下卦の象で、上が地、下が天。最後の「泰」が卦の名前です。天は本来上にあるのに、ここでは下にあり、地が上にあります。天の気は上り、地の気は下り、二つの気が真ん中で出会う。だから泰、通じて安らぐという意味になります。
卦を読むときは、まず上卦と下卦が何かを見て、重ねた情景を思い浮かべます。すると卦名は丸暗記する言葉ではなくなります。
卦辞:全体をまとめた一文
卦辞は卦全体の要約で、いちばん短いものは乾の「元亨利貞」のようにわずか数字です。伝統的には周の文王の作とされ、学者の間で作者には諸説ありますが、位置は変わりません。卦への入り口です。
卦辞を読むとき、どの字が吉か凶かを探すのを急がないでください。まず、この一文はどんな局面を述べているのかを問います。待つ時か、進む時か、譲る時か、収める時か。
大象:助言としていちばん読みやすい一文
どの卦にも「大象」があり、上下二つの象を合わせて人に何を教えるかを述べます。乾なら「天行は健なり、君子以て自彊して息まず」、坤なら「地勢は坤なり、君子以て徳を厚くして物を載す」。
大象の型は決まっていて、まず象を述べ、次に「君子以て……」と続きます。何が起こるかではなく、どんな態度で向き合うかを語るので、自分と照らし合わせるのにいちばん向いています。
爻辞:六つの位置、六つの段階
六つの爻辞は下から順に、初・二・三・四・五・上と呼びます。一つの事柄の六つの段階と考えるとわかりやすいでしょう。初は始まり、上は行き着いた先。二と五はそれぞれ下卦と上卦の真ん中に立ち、位置がもっとも適うとされます。三と四は二つの卦の境目で、立場が緊張しやすい。『繫辞伝』の「二は誉れ多く、四は懼れ多く、三は凶多く、五は功多し」は、こうした位置の性格を述べたものです。
各爻辞の冒頭には位置と陰陽が書かれます。「初九」は第一爻で陽、「六二」は第二爻で陰。九は陽、六は陰で、『易経』独特の記号です。
現代語訳:自分の言葉に置き換える
原文を読み終えたら、現代語の説明を見ます。「卦を立てる」の説明は私たちが書いたもので、この卦が示す構えだけを語り、何が起こるかは語りません。
そのあと、小さなことを一つ。卦辞・大象・六つの爻辞の中から、今のあなたの状況にいちばん似ている一文を選んで書き写し、なぜ似ているのかを考えてみてください。自分で選んだ一文は、一冊の本より役に立ちます。
よくある質問
古文が読めないときは?
無理に読まなくて大丈夫です。まず各卦の説明とキーワードを見て、それから原文に戻り、一、二文つかめれば十分です。いくつか卦を読むうちに、「利」「貞」「咎なし」のように繰り返し出る字は自然に身につきます。
卦辞の「吉」「凶」はどう受け取る?
昔の人が吉凶を言うとき、それは行いの加減への注意のようなものでした。この構えなら事が運びやすく、別の構えなら波風が立ちやすい、という意味です。書き込まれた結末ではありません。「こうするなら何に気をつけるか」として読んでください。
爻辞は必ず読む必要がある?
変爻がなければ、卦辞と大象で十分です。変爻があるときは爻辞が中心で、どの一条を読むかは「変爻と之卦」の記事で説明しています。
